僕が生きていく世界

人と少しだけ違うかもしれない考え方や視点、ぐるぐると考えるのが好きです。 あくまで、僕個人の考え方です。 みんながみんな、違う考えを持っていていい。 いろんなコメントも、お待ちしてますよ。

ポリアモリーは嫉妬しない?

ポリアモリーについてのインタビューや取材で、必ず聞かれるのは「嫉妬」についてだ。

「恋人が複数いる」ということを聞いたときに、
「自分の恋人が他の恋人と仲良くしていたら嫉妬してしまって耐えられない。
そんなことができる人は、嫉妬心というものが全くないのだろう」
と反射的に考える人が多いからなのだろう。

 

嫉妬心がないわけじゃない

「ポリアモリーに嫉妬心が全くない」というのは、事実ではない。
もしかしたらそういう人もいるのかもしれないが、少なくとも僕はそうじゃない。
そもそも、こういうときに使われる「嫉妬」という言葉、
実際はいくつかの要素を一緒くたにしているものだと思うのだ。

 

嫉妬の種類1 見捨てられ不安

「恋人が他の人と仲良くしていたら嫉妬する」という気持ちは、
「自分のことよりも別の人のことが好きになったら自分は捨てられてしまう」
という不安から来ていることが多いんじゃないだろうか。
一対一のみを当たり前とする恋愛観においては、恋愛感情は排他的なものだから。
ところが、ポリアモリーにとって「他の人が好き」であることは、
必ずしも「あなたのことは好きじゃない」ということを意味しない。
僕も「自分が捨てられてしまうのではないか」という不安を抱くことはあるけど、
その解決策は「他の人と仲良くしないで」ではなく、
「もっと僕のことを愛してほしい」であるはずなのだ。

 

嫉妬の種類2 独占欲・所有欲

「嫉妬」とされているもののもう一つの側面は、「独占欲」からくるものだ。
自分のことを捨てるはずはないと分かっていても、自分の恋人である相手が、
他の人とも自分とのように親密な関係を気づくことが許せない。
こういう感情は、恋人に対する所有意識や、
潔癖・純潔にまつわる感覚が元になっていることが多い。
「自分のものを奪われた」とか「汚された」というような感覚。
こういう感覚については、自分の中に全くないとまでは言えないにせよ、
僕自身は理性でなるべく拒否したいと考えているもので、
少なくともそのことを楯に、恋人を責めようとは決して思わない。

「嫉妬」の種類は他にもいくつかあると思うが、わかりやすいのは以上の二つ、
つまり、「見捨てられ不安」と「独占・所有欲」なのではないだろうか。

 

嫉妬についてじっくり考える

こう考えると、
「ポリアモリーは嫉妬心がないからできる」のではなくて、
「恋愛とそれに伴う感情についてじっくりと考えることで、
嫉妬を解決する方法を見出そうとしている」ということなのだ。
もちろん、これは別にポリアモリーでなくてもできることだけど、
「普通とは違う」とされる恋愛をしていると恋愛についてじっくり考えたり、
恋人同士で語り合ったりする機会が多くなるから、
比較的対処しやすいというだけのことなのかもしれない。

僕らは嫉妬しないわけじゃない。
自分が嫉妬を感じたときには、それを解決するためにどうしたらいいか考えて、
恋人に「もっと話したいよ」って言うとか、
「これは僕が恋人を所有しようとしているからだな」と自覚するとか、
そうやって対処しているんだと思う。

ときどき奥さんは
「他の恋人なんかより、忙しすぎる仕事や、
僕が夢中になりすぎるガジェットに嫉妬しているよ」
と冗談めかして言う。
好きな人に好きな気持ちを表明することがおろそかになっているとき、
それを解決するための方法は、
「他のことに目を向けるのを一切やめる」ということでは、ないのだと思う。

 

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