退職おめでとう。
春は、出会いと別れの季節だ。
僕の職場でも、仲が良かった同僚が退職する。
同僚たちで、その人への寄せ書きを書こうと言われて僕は、
少し迷ってこう書いた。
「退職おめでとう」
書いてから、これが僕の偽らざる気持ちだな、と思った。
辞めるということ、続けなかったということはたいてい、
ネガティブなものだと言われがちだ。
「辞めてしまった」とか「続けられなかった」とか、
まるで「失敗」のように言われてしまう。
あるいは、「退職おめでとう」なんて書いたら、
自分が職場をよく思っていなくて、
本音では辞めたがっているかのように邪推されてしまうかもしれない。
でも、そういうことじゃない。
辞める人本人にとって、退職は大きな転機であり、決断だ。
誰もが自分の人生をより良くしたいと思っていて、
退職というのはそのための行動なのだ。
別に職場が必ずしも悪くなくても、
「自分にふさわしい場所」というのはそれぞれ違って当たり前だ。
なら、まずは決断できたことを祝福しよう。
その先の人生がより幸せなものになるかどうかはわからないけど、
それが大切な友人の人生なら、呪いをかけるよりお祝いの言葉で未来を祈ろう。
だから、「退職おめでとう。」
あなたの未来は今、無限大になった。