お題スケッチ『雲のお城』
使用お題:「入道雲」
「うわぁっ! むっちゃくちゃでっかいソフトクリームや!」
夏休みに入ったばかりの日、盛大に湧き出した真っ白な入道雲に、太一は歓声を上げた。
「あはは! タイッチャンはいつも食べもんのことばっかりやな!」
弾けるような真菜の言葉に、太一はほっぺたを膨らませる。
「何や、かっこつけよって。ほんなら、マナちゃんはあれ、なんに見えるん?」
「あれはな、雲のお城や」
「雲のお城?」
得意げに言った真菜に、太一は興味津々な顔をする。さっきのぶーたれた顔はどこへやら、だ。
「ほんなら、王様とか、お姫様とか、あん中におるん?」
食い入るように真菜の顔を見上げている太一にいたずらっぽくウィンクして、真菜は胸を張る。
「あたりまえやないの。あの雲ん中にはな、背中に羽が生えためっちゃきれーな男の人と女の人がおってな、幸せに暮らしとるんよ」
「背中に羽? それすごいな、空飛べるんか?」
「当然や、空飛ばれへん羽なんて羽じゃないわ」
「そやったら、おれも羽あったら飛べるんか?」
真剣な表情で尋ねてくる太一に、真菜はぷっと吹き出す。
「あっははは! そやなぁ、羽あったら飛べるやろなぁ」
「じゃあ、おれ、羽生やすで! だっておれ、空飛びたいもん」
「生やすで、って、タイッチャン、どないして羽生やすつもりや」
「んーと、いっぱい牛乳飲んだらええんちゃう?」
「あほ、牛乳飲んで羽生えるか」
「いや、生えるんちゃう、生やすんや!」
言い切った太一の顔は、あくまで真剣だ。真菜は、思わずその顔を見つめる。
おかしいな。さっきまでは、単純な太一のあほをからかったろう、って思ってたのに。
「羽生やしたらな、マナちゃんも一緒に空に連れてったるで。ほんでな、あの雲のお城で、幸せに暮らすんや」
「……あほ」
あんたなんかと一緒に暮らすなんていやや、って言ってやろうと思ったのに、どうしてか言えなかった。
「うわぁっ! むっちゃくちゃでっかいソフトクリームや!」
夏休みに入ったばかりの日、盛大に湧き出した真っ白な入道雲に、太一は歓声を上げた。
「あはは! タイッチャンはいつも食べもんのことばっかりやな!」
弾けるような真菜の言葉に、太一はほっぺたを膨らませる。
「何や、かっこつけよって。ほんなら、マナちゃんはあれ、なんに見えるん?」
「あれはな、雲のお城や」
「雲のお城?」
得意げに言った真菜に、太一は興味津々な顔をする。さっきのぶーたれた顔はどこへやら、だ。
「ほんなら、王様とか、お姫様とか、あん中におるん?」
食い入るように真菜の顔を見上げている太一にいたずらっぽくウィンクして、真菜は胸を張る。
「あたりまえやないの。あの雲ん中にはな、背中に羽が生えためっちゃきれーな男の人と女の人がおってな、幸せに暮らしとるんよ」
「背中に羽? それすごいな、空飛べるんか?」
「当然や、空飛ばれへん羽なんて羽じゃないわ」
「そやったら、おれも羽あったら飛べるんか?」
真剣な表情で尋ねてくる太一に、真菜はぷっと吹き出す。
「あっははは! そやなぁ、羽あったら飛べるやろなぁ」
「じゃあ、おれ、羽生やすで! だっておれ、空飛びたいもん」
「生やすで、って、タイッチャン、どないして羽生やすつもりや」
「んーと、いっぱい牛乳飲んだらええんちゃう?」
「あほ、牛乳飲んで羽生えるか」
「いや、生えるんちゃう、生やすんや!」
言い切った太一の顔は、あくまで真剣だ。真菜は、思わずその顔を見つめる。
おかしいな。さっきまでは、単純な太一のあほをからかったろう、って思ってたのに。
「羽生やしたらな、マナちゃんも一緒に空に連れてったるで。ほんでな、あの雲のお城で、幸せに暮らすんや」
「……あほ」
あんたなんかと一緒に暮らすなんていやや、って言ってやろうと思ったのに、どうしてか言えなかった。