サン=テグジュペリ「夜間飛行」
サン=テグジュペリの「夜間飛行」を読んだ。
「星の王子さま」の作者が書いた作品だけど、その雰囲気は「星の王子さま」とは似ても似つかない。
「星の王子さま」がふんわりとした優しい作品だとしたら、「夜間飛行」には優しさは欠片も出てこない。
あるのは冷たく厳しい現実と、それにさえ揺るがない、毅然とした使命感。
そしてそれ故に、この作品には静かで透き通った、
まさしく彼らの飛行機が行く夜の空のような、何物にも代え難い美しさがある。
舞台はまだ郵便飛行の草創期、夜間の飛行などは命がけであった時代の、
南アメリカ植民地にあるフランスの輸送会社だ。
主人公である支配人のリヴィエールは、その危険を理解しながらも夜間飛行の事業を断行する。
「危険だとわかっていながらも、大きな理想のために命をかける」。
歴史上、そういう英雄は数多く存在したし、創作においてもそういう作品は数多いだろう。
不屈の精神で困難な状況を乗り越えていく、いわゆる「冒険」ものだ。
だが、この作品はそういうものとは大きく違う点がある。
主人公のリヴィエールは、飛行機のパイロットではないのだ。
彼が掛けるのは自分の命ではなく、他の、彼よりも年若い操縦士たちの命だ。
自分の命ではなく他人の命をその肩に負うリヴィエールには、
ある意味においては自分の命をかける以上の苦しみと恐怖、責任がのしかかる。
だがそれでも、彼は「人間の生命以上に価値のあるもの」
「個人的な幸福より永続性のある救わるべきもの」を信じている。
彼の、恐ろしいほどに厳格で真っ直ぐな一本の意志が、
この作品全体をぴんと張り詰めた雰囲気で貫いているのだ。
「星の王子さま」の作者が書いた作品だけど、その雰囲気は「星の王子さま」とは似ても似つかない。
「星の王子さま」がふんわりとした優しい作品だとしたら、「夜間飛行」には優しさは欠片も出てこない。
あるのは冷たく厳しい現実と、それにさえ揺るがない、毅然とした使命感。
そしてそれ故に、この作品には静かで透き通った、
まさしく彼らの飛行機が行く夜の空のような、何物にも代え難い美しさがある。
舞台はまだ郵便飛行の草創期、夜間の飛行などは命がけであった時代の、
南アメリカ植民地にあるフランスの輸送会社だ。
主人公である支配人のリヴィエールは、その危険を理解しながらも夜間飛行の事業を断行する。
「危険だとわかっていながらも、大きな理想のために命をかける」。
歴史上、そういう英雄は数多く存在したし、創作においてもそういう作品は数多いだろう。
不屈の精神で困難な状況を乗り越えていく、いわゆる「冒険」ものだ。
だが、この作品はそういうものとは大きく違う点がある。
主人公のリヴィエールは、飛行機のパイロットではないのだ。
彼が掛けるのは自分の命ではなく、他の、彼よりも年若い操縦士たちの命だ。
自分の命ではなく他人の命をその肩に負うリヴィエールには、
ある意味においては自分の命をかける以上の苦しみと恐怖、責任がのしかかる。
だがそれでも、彼は「人間の生命以上に価値のあるもの」
「個人的な幸福より永続性のある救わるべきもの」を信じている。
彼の、恐ろしいほどに厳格で真っ直ぐな一本の意志が、
この作品全体をぴんと張り詰めた雰囲気で貫いているのだ。