僕の価値
仕事を辞めて二ヶ月経った。
なんとなく、日々に焦りのようなものを感じてきた。
まぁ、あたりまえと言えばあたりまえ。
我が家に住んでる三人とも、まだ食べていけるだけの収入の見込みはなくて、
今後どうしていくかはっきりと定まっていない、宙ぶらりんの状況なんだから。
仕事を辞めて、お金も少なくなって、
逆に今まで自分が、「社会的な地位」と「お金」をよりどころにして、
自身や自己肯定感を保ってきたんだってことを知った。
地位もお金も持たない自分に、価値があるのかどうか、
こんなに不安になるだなんて思っていなかった。
「地位やお金が、人の価値を決めるなんてことは、決してない」
今までの僕の主張は、一貫してそれだったはずだ。
ところがどうだ。
自分がそれを失ってみて、こんなにも僕は動揺している。
今が大事なときだ。
今こそ、不安にぶるぶると震えて歯を食いしばりながらそれでも、
地位よりお金より、大事なことがある、と主張してやろう。
不安を蹴散らして、今手のとどくところにある幸せを十分に楽しんでやろう。
好きな人がいて。
自由な時間があって。
僕自身の経験と知恵がある。
僕ならだいじょうぶ。
今このときを、楽しめるよ。
今しかできないことをしよう。