幾度かの挫折を経て……『星の王子さま』の翻訳と電子書籍出版、ついに実現しました!
みなさん、お久しぶりです。文月煉です。
最近はもっぱらnoteが使いやすくて、ブログの更新をサボっていました。
とはいえ、このブログにもちゃんと読者がいますので、こちらにもちょくちょく記事を更新するようにしたいなぁ。
さて、古くから文月煉(あるいはsagitta)の活動を見てきてくれた方には、「またかよ」という感じかもしれませんが、
何度も「決定版」を出そうとしては挫折していた、僕のLe Petit Prince(星の王子さま)の全訳プロジェクト、最初に翻訳を開始してからなんと15年以上の歳月を経て、ついについに完結しました!
そしてその完結記念にAmazonの電子書籍として販売したので、どうか、みなさん購入してほしいです!
最初に翻訳したころとは、僕自身の考え方も、世の中の「星の王子さま事情」も変わりました。
最初は、あまりにフランス語版の原作とは雰囲気が違う内藤濯氏の訳に対して、「僕が原作の雰囲気をちゃんと伝えてやるんだ!」という気持ちで翻訳していましたが、
僕がグズグズしている間にたくさんの新訳が出て、特に河野万里子さんの翻訳なんかは僕がフランス語版を読んで感じた雰囲気にとても近いものでした。
そうしたら、僕が新しい訳を作る必要もないんじゃない?
いやいや、そうでもないぞ。
河野万里子さんの訳は「原作に忠実」という点ではかなり僕の理想に近い。
でも(これは当たり前かもしれないけど)やっぱり、「翻訳小説らしさ」はかなりある。
「翻訳小説らしさ」は必ずしも悪いことではないのかもしれないけれど、僕は昔から翻訳小説が苦手なので(そしておそらくそういう人って僕以外にもたくさんいそう)、
「はじめから日本語で書かれた物語かと錯覚してしまうくらいの文章で訳したい」という思いが新たに出てきたわけです。
翻訳小説っぽくないようにするためには、かなり元の文章に手を入れる必要があるから、「原作に忠実ではなくなってしまう」という問題があります。
たくさんの批判にさらされるプロの翻訳者や大手出版社にはそれはやりづらい。
だからそれこそ、無名の個人である僕の出番なんじゃないの?と考えたのです。
というわけで、僕が翻訳した『ちっちゃな王子さま』は「原作に一言一句忠実」ではありません。
僕自身が原作を読んで理解したものを、改めて日本語の文章で書いたもの。
そういう意味では二次創作と言えるかもしれません(翻訳は全て二次創作だ、とも言えますが)。
Le Petit Princeは「公共の宝(パブリックドメイン)」になったのだから、そういう使い方があってもいいよね。
一言一句忠実ではないとは言っても、「翻訳」の範囲が逸脱するほどの大幅なカットや挿入があるわけではないですが。
手前味噌の勝手な自負ではありますが、2020年現在「いちばん読みやすい」Le Petit Princeの翻訳であると、僕自身は思っています。
Amazonで、300円でいつでも買える電子書籍ですので(そしてスマートフォンでいつでも、電車の中でもベッドの中でも読める!)、ぜひ、購入してもらえたらうれしいです。
ちなみにちなみに、
「電子書籍はいやだ。どうしても紙の本がいい」
という方のために、「オンデマンド印刷」で本が届くペーパーバック版もご用意しました。
市販されている本に比べると簡易な製本で、しかも1430円と割高ですから積極的にはすすめませんが、紙の本で手元に置きたいと思ってくださる方は、下記からどうぞ。