『暗い闇の中へ』
時々不意に生きていることが恐ろしくなって、暗い闇の中に飛び込みたくなることがある。
それは、灼けたアスファルトの道に、空っぽになったセミの骸が転がっているのを見たときだったり、どこかで自分と同じ歳の人間が無残に切り裂かれて殺された事件をTVで報道している時だったりする。どこかで死が何かを支配して飲み込もうとしているのに、僕は生きているのだ。それは酷くおかしくて、恐ろしい。
僕は、死にたいと思っているわけではない。死ぬなんてものはリアルすぎて、温度がありすぎて、怖くてとてもできない。
世界は僕が死んだ後も残っているのだ。僕が死ぬ前と死んだ後では、世界は変わってしまうだろう。それは極めて微かな変化かもしれないが、確かに、僕の死は世界に影響を与えてしまうだろう。それは酷く恐ろしい。
だから僕は、死にたいなんて思えなかった。ただ、闇に消えてしまいたい。誰にも、世界にも悟られず、ただ静かに消えていきたい。そう思うことが時折あるのだ。
だが現実は、そうはさせてくれなかった。静かで優しい闇は、残酷な光に殺され、ひっそりと生きている僕の情けない姿はあらわにされる。僕はただ生きているだけなのに、評価され、存在を問われてしまう。
「頑張れ」と人は言う。
頑張ることはいいことだろうか。正しいことだろうか。
頑張ることは義務だろうか。
どうして人は、静かに僕を闇の中で溶けるままにさせてくれないのだろう。
僕は頑張りたくなんてない。
僕はただ、静かにいたいのに。
なのになぜ。
なぜ人の声はこんなに暖かいのだろう。
やめてくれよ。
僕も、日の光に当たりたいとか、頑張りたいとか、思ってしまうじゃないか。
身体の中の、心なんていう存在しない部分が、ひどく、痛い。
それは、灼けたアスファルトの道に、空っぽになったセミの骸が転がっているのを見たときだったり、どこかで自分と同じ歳の人間が無残に切り裂かれて殺された事件をTVで報道している時だったりする。どこかで死が何かを支配して飲み込もうとしているのに、僕は生きているのだ。それは酷くおかしくて、恐ろしい。
僕は、死にたいと思っているわけではない。死ぬなんてものはリアルすぎて、温度がありすぎて、怖くてとてもできない。
世界は僕が死んだ後も残っているのだ。僕が死ぬ前と死んだ後では、世界は変わってしまうだろう。それは極めて微かな変化かもしれないが、確かに、僕の死は世界に影響を与えてしまうだろう。それは酷く恐ろしい。
だから僕は、死にたいなんて思えなかった。ただ、闇に消えてしまいたい。誰にも、世界にも悟られず、ただ静かに消えていきたい。そう思うことが時折あるのだ。
だが現実は、そうはさせてくれなかった。静かで優しい闇は、残酷な光に殺され、ひっそりと生きている僕の情けない姿はあらわにされる。僕はただ生きているだけなのに、評価され、存在を問われてしまう。
「頑張れ」と人は言う。
頑張ることはいいことだろうか。正しいことだろうか。
頑張ることは義務だろうか。
どうして人は、静かに僕を闇の中で溶けるままにさせてくれないのだろう。
僕は頑張りたくなんてない。
僕はただ、静かにいたいのに。
なのになぜ。
なぜ人の声はこんなに暖かいのだろう。
やめてくれよ。
僕も、日の光に当たりたいとか、頑張りたいとか、思ってしまうじゃないか。
身体の中の、心なんていう存在しない部分が、ひどく、痛い。